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【数字で見るBリーグ】’22チャンピオンシップファイナル濃厚マッチレビュー!

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Bリーグ
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’21-22シーズン最後の戦いは、宇都宮ブレックス優勝で幕を閉じました。
白熱したGAME1およびGAME2では一体何が起こっていたのか?
セットオフェンス、ディフェンスシステム、そしてスタッツから読み解いていきたいと思います。
(考察を含みますのでご了承ください)

用語はこちらから

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GAME1

選手など敬称略

1Q

鵤・遠藤・比江島・フォトゥ・スコット でスタート
宇都宮1stセットフォトゥ・スコットを使い比江島がStaggerで飛び出す。遠藤が右サイドコーナーから左サイドコーナーへベースラインカットしスペーシング。比江島・スコット・遠藤のスペインピック。
ロールするスコットはクーリーがそのままディフェンド。ハンドラーの比江島へ岸本が、Ripスクリナーの遠藤へ今村がスイッチと理想的な対応でことなきを得る。2nd Phaseではスコット選手のポストアップを選択するがフックショットを外す

琉球1stセット
HornsアライメントからChicagoへ展開。(コーナーの今村はエバンスのダウンスクリーンを使いながらクーリーとハンドオフ。
宇都宮はフォトゥ(エバンスのDF)がクーリーへバンプしロールを遅らせたため、ハンドラーの今村へスコットが集中して守ることができ見事ブロックショット。ストロングサイドコーナーから鵤のヘルプDFも見逃せない。
互いにディフェンスで魅せる立ち上がり

次の注目は、残り9:20 宇都宮のオフェンス。
スコットのハンドオフから比江島がドライブ。インサイドシールしていたフォトゥのディフェンダー・エバンスが一歩前に出た瞬間に空いたフォトゥへパスしスコア。宇都宮は徹底してこのエクストラパスを狙います。このパスがあることで比江島のドライブを引き立たせています

残り8:24 琉球はフリッピンをハンドラーに、岸本にStaggerからパスを渡したいところを鵤が完璧なトップロックで止める。パスを出せなかったところをエバンスとのPnRに行ったところをフォトゥが2ポゼッション連続でブリッツ(ダブルチーム)。生来のハンドラーではないフリッピンを狙いつつ琉球の出鼻を挫くために練られた宇都宮の戦略が見える。ちなみに3ポゼッション連続でブリッツを仕掛けていた。

残り7:06 琉球はフリッピンのAIカットから、エバンスとのSlot PnPが始まる。フォトゥのドロップを予見してポップアウトを選択。スコットが一歩ヘルプに出た瞬間にクーリーへパスしファウルオンFT2獲得。スコットのヘルプタイミングが完璧であるためローテーションが間に合わない。琉球はここを狙うために、スコットを完璧にスカウティングしていた。早くもファウル2つを与え、スコットをベンチへ下げさせた。

返す宇都宮のオフェンスでは、シリーズ通して注目ポイントとなる鵤ポストアップを初めて使い見事スコアに成功した。

残り6:30 スコットに変わったフィーラーを攻めたい琉球はエバンスのポストアップを選択。ウィングにいる比江島のダブルチームを引き出し、フリッピンへキックアウトし3ptMade。
単騎でズレを作ることに成功した。

残り5:30 フィーラーを攻めたい琉球は、今村のZipperからエバンスとのChase Pick。
ドロップしたフィーラーに対してセオリー通りのポップアウトを選択。比江島ではエバンスを守りきれないと判断した宇都宮は、レイトスイッチではなくフィーラーのクローズアウトを選択。ここは読んでいた琉球はエバンスをアイソレートし1on1を敢行。元々エバンスのドライブが目的であったためクーリーは徹底したクリアアウト戦略でフォトゥ抑えTake2FT。

残り4:05 ここでもシリーズ注目の動きが起こる。荒谷・渡邊がコートに入りSLOB(サイドラインアウトオブバウンズ)宇都宮定番のビッグマンStSから左サイドへサイドチェンジ。テーブスとフィーラーのPnP。ドロップしたダーラムに対するカウンターでポップアウト。本来はレイトスイッチないしは宇都宮のようにビッグマンのクローズアウトが必要であったところ対応が遅れ、フィーラーにワイドオープン3を許してしまった。

残り3:36 琉球はフリッピンとクーリーのハンドオフ(Chicago)。ウィークサイドコーナーからフィーラーが素早いゴール下へのヘルプ。その動きを見てコーナーへキックアウト&ワイドオープン3を狙った。ウィークサイドコーナーDFが外を捨て気味にリムを守る宇都宮の戦略を逆手に取ったアクションであった。

残り2:05 宇都宮はフィーラーがボールキャリーしコーナ方向へ左手を振るようなサインをコール。左コーナーのテーブスを右へスペーシングさせ、エンプティーサイドを作りながら渡邊とフィーラーのSlot PnP。琉球は先ほどと同じように対応が遅れてしまいワイドオープン3を許してしまう。
ディフェンスの修正を迫られた桶谷HCはここでタイムアウトを要求。

残り1:52 タイムアウト明け、琉球のATOを崩す宇都宮の2−3ゾーンが展開される。セオリー通りハイローを狙いつつ、無理とわかるとダーラムのポストアップから2点を返す。
続くオフェンスでは2−3ゾーンを敷かれる前にフリッピンが突破しクーリーがSCP。
ここで宇都宮がタイムアウト。ATOのChicagoからクロススクリーン→ハンドオフを狙うもオフェンスファウル判定

19−18 琉球1点リードで終了

2Q

琉球は5outから今村+クーリーのPnR→Jail ClearOut(予想記事参照)を展開。キックアウトから3ptでスタート

残り9:00 宇都宮はテーブスとスコットのPnR。小野寺がアンダーで、プルアップ3を捨ててドライブ警戒してきたところ2度3度とリピックしながら少しずつ近づいていきミッドレンジジャンパーを沈めた。

残り8:30 琉球はZipperから今村・クーリーのempty PnR。スコットの一歩を狙い今村がクーリーへアリウープしAnd1 徹底している

返す宇都宮は再度アンダーに対しテーブスがミッドレンジを決めた。
この2ポゼッションの動きを見た琉球は残り7:04 アンダーに対しテーブスが同じくプルアップの構えに対し、小寺さんがクローズアウト。エアボールにさせた。

残り6:00 on1状態の宇都宮は琉球のon3に対してオールスイッチで対応するもミスマッチを攻められ5点差とじわじわ点差が開きだす。
さらにディフェンスでは宇都宮と同じくスイッチDFを絡めながらズレを消していく。

そして残り5:25 フィーラー・フォトゥ・比江島が入った宇都宮はこの日の鍵となるマッチアップ2−3ゾーンを展開。
ハイポストの小寺にボールが入った瞬間に本来中のフィーラーがつくところを、コーナーの比江島がマッチアップ。フォトゥが右コーナーへ、フィーラーがゴール下へ、比江島がコーナーへスライドするところで見事スティール。続くオフェンスでフィーラーと遠藤のPnPに対して岸本がスイッチしたところを完全に読み切ったフィーラーはクイックロールしパスを受けてスコア。 オフィシャルタイムアウトへと繋いだ

琉球はポジショニングをくるくると回転しながらマッチアップしてくる2−3を攻略できない。
その間残り4:03には遠藤のリジェクトに振られ、ピックに大きくかかってしまった岸本がオープン3を決められると29-32と逆転を許し琉球たまらずタイムアウト。

タイムアウト後、2−3に見せかけたオールスイッチDFを展開し、ATOを完全に消しにかかった安齋HCの策に嵌ってしまった琉球はスコアすることができない。

対する琉球は、エバンスの1on1とマンツーになった隙に先述のJail Clearout で打開を図り、
35-38 宇都宮3点リードで折り返した

3Q

お互いスターター同士でオンコート
宇都宮は好調遠藤のシューターセットで開幕するが守られ、比江島・スコットのこちらもJail ClearOutを選択。
対する琉球は再三見せて来た、今村選手へのStaggerかと思わせて、トップのフリッピンとのPnP。
虚をつかれた宇都宮は一瞬でDFが収縮。オープンでカットしたクーリーがビハインドパスを受けダンクショットを見舞い最高のスタートを切る。
傾きかけた流れを、キーマンである鵤がポストアップで返し止めたいところだが、琉球はクーリーのポストアップ→エバンスキックアウト→クーリーを生かすために、シングルサイドへロールさせる形の4outPnRでしめるセットを繰り返し使い残り8:09にはついに41-40と逆転

ここからは互いにインサイドまたはセカンドチャンスで点を取り合う時間が続く。
(3ptは、件のウィークサイドを捨て気味に守る宇都宮の傾向を逆手に取った小野寺の3pt1本のみ)
残り4:40を過ぎた時間帯から、クーリーが明らかに走れなくなり動きが鈍り始める。
そうなるとクイックロールが期待できないため、トップからのプルアップ3を今村が沈めクーリーを助けるが、これをみた桶谷HCは即座にクーリーを交代。ダーラムをコートに入れた。

ダーラムが入ったことで琉球は4outになり、ダーラムがローポストでポストアップした瞬間にSplitやバックカットを繰り返しDFを収縮させキックアウト3を狙う戦略に変更。オープン3のシチュエーションこそ度々作ることができるも入らず、セカンドチャンスから加点。
残り2:15に今村がTake FTしたところで安齋HCが後半1回目のタイムアウトを要求

残り1:15 宇都宮は遠藤とフォトゥの4out EmptySidePnRに活路を見出したい。今村がアンダーしたところをリピック。ダーラムがソフトショーした瞬間に、フォトゥがクイックロール。強引にスイッチを作り出すと、遠いサイドであるためヘルプが間に合わずそのままスコア。
56−54 琉球2点リードで終えた。

4Q

勝負の4Q、琉球は安定の今村StaggerからダーラムのRam Pick、今村のプルアップ3を狙うが不発
宇都宮は安定の4outから、ピック→サイドチェンジ→ドライブと繰り返しトップのフィーラーにワイドオープン3を打たせるもこちらも不発。

残り9:19 琉球がTOVしたボールをエース比江島がハイピック。左のローポストでフィーラーが。アンダー→リピックを繰り返しロールマンのフォトゥが右のローポストをクリアアウトでヘルプを防ぐ構えを取ると、snakeドライブから比江島がAnd1。1点リードし反撃の狼煙をあげる

続く琉球はダーラムローポストから展開するもTOV。宇都宮のトランジションに対してファウルを与え開始1:30でチームファウル3を計上。代わったフリッピンがボールキャリアーとなり二本指で左サイドを指差し、岸本のStaggerをコールするも不発。3ポゼッション連続で攻撃が失敗。

残り8:09 宇都宮のトランジションで失点を喫した瞬間に桶谷HC早々にタイムアウト要求

タイムアウト明けといえば、宇都宮の2−2−1ゾーンプレスから、マッチアップ2−3ゾーンである。
荒谷がついている岸本がダウンスクリーンをもらいGhostスクリーンを選択。ギャップを作った瞬間にフリッピンがドライブするも、前衛が即座にポジションを入れ替えて対応すると、攻め手を失いミッドレンジジャンパーを選択し外した。

比江島のアタックにファウルしたところで残り7:30を残してチームファウル5を計上。苛烈を極めるリバウンド争いの中で足枷となってしまった。

残り7:25 宇都宮の2−3に対しエバンスがハイピックを仕掛け、フリッピンが右コーナーへ切れると、スコットが前衛にテーブスが後衛にスイッチ。そのフリッピンとエバンスのSidePnRに対しては、即座にスコットとテーブスが前後衛を入れ替え対応した。
マンツーに戻した宇都宮に対しSpainピックを見せるもRipスクリナーを鵤がシールすることで不発に終わらせ、5ポゼッション連続で攻撃失敗し圧倒的に悪い流れを残り6:40 フリッピンがテーブスの不用意なパスをスティールし、このクオーター初得点となるダンクショットを見舞った。

琉球が流れを取り戻すかに思えたが、返す攻撃でハイピックからアンダーしたところを比江島が急加速。クーリーからAnd1をもぎ取り流れを引き戻す。

残り6:17 宇都宮の2−3をハイポストからの打開を探る琉球。エバンスのハイポストに対しゴール下のスコットではなく左後衛のフィーラーが対応しハイローを防がれたところでフローターを外させた。

残り6:00には比江島・スコットのEmpty Side PnRに対しドライブ警戒で2度アンダーしたところをリピックを繰り返し、オーバーした瞬間に急加速。比江島がレイアップで得点したところでオフィシャルタイムアウトを待たずに桶谷HCがタイムアウトをコール。2桁点差にされてしまっては手がつけられなくなるとの判断だろう。

タイムアウト後に琉球は、エバンス・ダーラム・小寺さんの3Bigを起用。そしてローポストに3人を並べ、後衛の比江島を攻める作戦にでた。
岸本がカットしてギャップを作った瞬間に鵤が岸本をチェイスする形で後衛へ。後衛のフィーラーが前衛へスイッチ。後衛が小さくなったところでダーラムと岸本のPnRを開始するが、比江島・鵤がスイッチ+ゾーンを崩して後衛に収縮するとんでもない連携を見せショットを打たせない。

オフィシャルタイムアウト後には宇都宮は執拗に小寺さんを攻め立て点差を広げる。
点差が15点となったところで琉球が最後のタイムアウト。勝利は難しいが、2−3を打開して良いイメージを持ちたい琉球の作戦を読んだ安齋HCはここから2−3ゾーンを封印。
ストップファウルを絡めた恐ろしいほどの徹底ぶりでゲームをクロージングした。

最終スコア61ー80で宇都宮の勝利

スタッツ分析

オフェンススタッツ比較

琉球宇都宮
3FG%16.70%30.80%
FT%63.60%85.70%
2FG%42.86%56.00%
PitP%62.30%60.00%
SCP%32.79%7.50%
SCP Rtg0.910.75
FBP%9.84%11.25%
2ptA%62.95%72.30%
3ptA%30.83%18.80%
2pt割合68.85%70.00%
ペリメタ割合6.56%10.00%
3pt割合19.67%15.00%
FT割合11.48%15.00%
FT獲得率15.07%22.22%
eFG%36.99%53.97%
ORB%44.90%25.81%
OFFRtg90.79119.06
TS%39.18%57.84%
pace67.1967.19
AST%40.21%47.17%
HOMEeFG%
HOMETS%
AWAYeFG36.99%53.97%
AWAYTS%39.18%57.84%
TOV%17.86%11.91%
POSSESSION67.1967.19
Shot Chances89.8477.16
攻撃成功回数77.8469.16
AST/ TOV1.002.25
TOM1.2001.286
VPS106.22115.55
P %37.21%47.63%
LiveTOV%10.42%7.44%
DeadTOV%7.44%4.46%
PfT%11.48%21.25%
PfTRtg0.881.42
FTD%6.22%8.91%
HOMEFT%
AWAYFT%63.60%85.70%
HOFFRtg
AOFFRtg90.8119.1
H2FG%
H3FG%
A2FG%42.86%56.00%
A3FG%16.70%30.80%

勝利した宇都宮は3ptは入らないまでも、アウェイでの攻撃効率平均120に匹敵する119.1を記録。
予想通りアウェイでのオフェンススタッツが軒並み宇都宮が琉球を上回っている。

対する琉球はORB獲得率44%と驚異的ながら、SCPRtgが0.9と振るわず。3pt決定率16%と大誤算。アウェイゲームでの敗戦傾向3pt19%を下回ってしまった。
そしてフリースロポゼッションもセカンドチャンスの多さに比べかなり低くなってしまった。

ディフェンススタッツ

琉球宇都宮
Opp2ptFG%56.00%42.86%
Opp3ptFG%30.80%16.70%
OppPitP%60.00%62.30%
OppSCP%7.50%32.79%
OPPSCP Rtg0.750.91
OppFBP%9.84%9.84%
Opp2ptA%72.30%62.95%
Opp3ptA%18.80%30.83%
Opp2pt割合70.00%68.85%
Oppペリメタ割合10.00%6.56%
Opp3pt割合15.00%19.67%
OppFT割合15.00%11.48%
OppFT獲得率22.22%15.07%
OppeFG%53.97%36.99%
DRB%74.19%55.10%
DFFRtg119.0690.79
OppTS%57.84%0.39
OppAST%47.17%40.21%
HOppeFG%%
HOppTS%
AOppeFG%53.97%36.99%
AOppTS%57.84%39.18%
OppTOV%11.91%17.86%
OppAST/ TOV2.251.00
TDM1.291.20
OppPfT%21.25%0.11
OppFTD%8.91%6.22%
OppLiveTOV%7.44%10.42%
OppDeadTOV%4.46%0.07
HOpp2FG%
HOpp3FG%
AOpp2FG%56.00%42.86%
AOpp3FG%30.80%16.70%
HDFFRtg
ADFFRtg119.0690.79

FTを含めた全ショットポゼッションのうち、琉球は2ptを72%も打っているにもかかわらず宇都宮に守り切られてしまった。
宇都宮は、セカンドチャンスを取られても決められなければ良い といつぞやのヒューストンロケッツと見紛うほどの男らしいDFを遂行していた。

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