Bリーグ2017-2018シーズンも前半戦が終了。
今シーズンのスタッツ&アドバンスドスタッツを元に、各チームを分析したいと思います
今回は、リーグ勝率3位西地区1位(投稿時点)
琉球ゴールデンキングスを分析します
※スタッツの計算式は BasketBallReference 参照
【昨シーズンスタッツ】
PTS 75.60 (リーグ10位)
3FGM 6.90 (リーグ10位)
3FG% 32.88% (リーグ14位)
2FGM 21.25 (リーグ11位)
2FGA 48.11
2FG% 47.01% (リーグ15位)
FT%76.62% (リーグ2位)
TR 38.80(リーグ7位)
TO 12.71(リーグ3位)
AS 12.85(リーグ11位)
ST 6.21(リーグ11位)
EFF 82.31 (リーグ11位)
FT獲得率 24.45%(リーグ12位)
eFG% 47.75% (リーグ16位)
OppeFG% 47.64%(リーグ17位)
OR% 26.96%(リーグ14位)
DR% 68.67% (リーグ13位)
ORtg 88.28 (リーグ11位)
DRtg 87.72 (リーグ3位)
TORtg 14.81 (リーグ16位)
TS% 51.68% (リーグ11位)
pace 75.19回(リーグ2位)
AST% 36.60% (リーグ11位)
TOV% 14.79% (リーグ3位)
OppTOV% 14.79% (リーグ4位)
POSESSION 85.86回 (リーグ3位)
【17-18シーズンスタッツ】
執筆時点
PTS 76.12 (リーグ9位)
3FGM 8.60(リーグ1位)
3FGA 23.80(リーグ2位)
3FG% 36.13%(リーグ6位)
2FGM 19.44(リーグ17位)
2FGA 36.84(リーグ18位)
2FG% 52.77%(リーグ4位)
FTM 11.44(リーグ12位)
FTA 16.20(リーグ11位)
FT% 70.62%(リーグ13位)
OR 10.12(リーグ16位)
DR 27.08(リーグ6位)
TR 37.20(リーグ8位)
TO 15.04(リーグ1位)
AS 20.92(リーグ1位)
ST 7.00(リーグ8位)
EFF 92.24(リーグ8位)
PitP割合 49.59%(リーグ13位)
SCP割合 17.08%(リーグ8位)
FBP割合 11.66%(リーグ12位)
FT獲得率 26.72%(リーグ8位)
OppFT獲得率 26.38%(リーグ11位)
eFG% 53.82%(リーグ2位)
対戦チームのeFG% 44.11%(リーグ18位)
OR獲得率 29.62%(リーグ11位)
DR獲得率 72.04%(リーグ7位)
ORtg 92.19(リーグ7位)
DRtg 81.32(リーグ1位)
NETRtg 10.88(リーグ2位)
TORtg 18.21(リーグ1位)
TS% 56.83%(リーグ4位)
pace 72.71(リーグ13位)
AST割合 60.00%(リーグ1位)
HOMEeFG% 52.20%(リーグ6位)
HOMETS% 54.70%(リーグ8位)
AWAYeFG% 55.73%(リーグ2位)
AWAYTS% 59.31%(リーグ2位)
TOV% 18.18%(リーグ1位)
POSESSION 82.65(リーグ16位)
OppPOSESSION 82.61(リーグ13位)
【超個人的注目選手】
石崎巧選手
プレイタイムは14分と短いものの、40%超えの3ptアベレージを持ち、eFG56% TS57%オフェンス効率性ORtg はチームNo1の数値を記録しています。
特に注目したいのは、そのアシスト本数(2.9本)で、アイラ選手とのハイピックからインサイドのマーティン選手アームストロング選手とのホットラインはオンコート時のオフェンス効率性に一役買っています
【スタッツで見るチームの特徴】
ディフェンス指標である、DRtg(100回攻撃された際の平均失点)がリーグで最も低くディフェンス中心のチームであるといえるでしょう。
オフェンスでは、アシストの割合がリーグで最も高いパッシングチームで特にドライブからのインサイド、インサイド同士のハイロー、ローハイなどのパス交換、インサイドプレーヤーからのキックアウト3ptが目立ちます。
3ptのアテンプト(2位)、決定数(1位)、決定率(6位)のスタッツを見てもわかるようにディフェンスをしっかり中に収縮させてからの3ptも重要な武器と位置づけています。
逆に低いスタッツとしては、わかりやすいところではターンオーバーのRTGとポゼッションに対する割合がリーグワースト。
オフェンスリバウンドの獲得率も若干低くそれに伴いポゼッション数もリーグ下位となっています。
しかし、上述のアシストの割合が高いことでショットセレクションがよく、三河に次ぐ2位のシュート決定率を叩き出しています。ターンオーバーの多さを補って余りあるチーム力を持っていると言えるでしょう
【チーム戦略分析】
琉球はディフェンスのチームということでディフェンスをメインでご紹介したいと思います。
特に優れている点はカバーの速さとローテーションの意思疎通です。
先ずは先日挙げた記事(Bリーグ初心者講座その4)でも取り上げたX-outRotationからご紹介します
■10/21 琉球ゴールデンキングスVS島根スサノオマジック 第4Q残り1:50のプレー
(島根)ウィングで渡辺選手とレーン選手のP&R → (琉球)マーティン選手と二宮選手が渡辺選手に対してブリッツ → (島根)レーン選手がロール。山本選手とスタツ選手はポジションチェンジ → (琉球)金城選手とブラウン選手はマークマンについていく → (島根)フリーになったレーン選手へパス
↓
(琉球)ロールしたレーン選手がフリーになっているため、金城選手がカバーリング
↓
(島根)金城選手がカバーに入ったためフリーになった山本選手へパス → (琉球)ブラウン選手が山本選手へローテーション
↓
(琉球)金城選手がスタツ選手へローテーション
↓
パスコースが無くなったため一旦仕切り直し。
余談ですが、ブラウン選手と金城選手がXの字を描くように動くので、X-out Rotationと呼ばれるローテーションになります。
続いて、オンボールスクリーンへのハードヘッジやブリッツに対するカバーリングを見てみましょう
西宮)バーンズ選手とラマート選手のPnR→琉球)アームストロング選手ヘッジ→ヘッジを見た石崎選手が田代選手へカバー指示→田代選手がロールしたラマート選手のヘルプに入る
↓
琉球)バーンズ選手へブリッツ→二宮選手外をケア→石崎選手が田代選手のマークマンへローテーション
↓
琉球)バーンズ選手のドリブルストップを見てアームストロング選手がラマート選手のマークへ戻る→田代・石崎両選手もマークへ戻る
↓
西宮)パスコースが無いためインサイドへロブパス→獲りきれずターンオーバー
(少しわかりづらいですが)バーンズ選手とラマート選手のPnR→アームストロング選手がハードヘッジ→ロールしたラマート選手を石崎選手が即座にカバー
↓
西宮)坂井選手へバーンズ選手がロブパス→田代選手がパスカット
ここからはインサイドを中心としたしたパッシングオフェンスと、キングスの頻出セットHornsの中で個人的に好きなものをピックアップしてご紹介します
琉球)石崎選手とアイラ選手のPnP→島根)フィッシャー選手がカバーに入る→琉球)アームストロング選手はその動きを見てバックカット
↓
石崎選手アームストロング選手へラストパス
↓
島根ディフェンスがペイントに充分に収縮した瞬間にキックアウト
↓
田代選手へエキストラパス
↓
そのままワイドオープンシュート
■シンプルなPnR
アームストロング選手と石崎選手のPnR→ショー&アンダーに入った瞬間にダイブ、インサイドシール
↓
ミスマッチを突いてインサイドへパス→そのままターンアラウンドシュート
■PnR→インサイドシール
アイラ選手と石崎選手のPnR→合わせてインサイドシール→ショーとファイトオーバーで対応
↓
大きくパスコースが空いたのでインサイドへパス→そのままシュート
■HornsHigh→PindownCurl
Hornsセットからハイポストエントリー
↓
岸本選手は二宮選手へダウンスクリーン
↓
滋賀)並里選手と狩野選手がハンドオフ警戒でスイッチ→琉球)その動きを見て二宮選手がカールカットへ切り替え→滋賀)再びスイッチで対応
↓
二宮選手そのままレイアップ
■HornsSTS→クロススクリーン
ホーンズセットからアームストロング選手へパス(セオリーではマーティン選手へパス)
↓
岸本選手がトップから左ウィングへフレックススクリーン→アームストロング選手がすかさずマーティン選手へパス&岸本選手へダウンスクリーン→須田選手はベースラインへダイブ
↓
岸本選手はスクリーンを使って再びトップへ→アームストロング選手がダイブ→マーティン選手から岸本選手へパス
↓
須田選手がアームストロング選手へクロススクリーン
↓
アームストロング選手がフリーでシール→岸本選手からローポストへダイレクトパス
↓
そのままシュート
インサイドを経由するプレーが非常に多くそこからの展開を軸としていることがわかります
【琉球ゴールデンキングス 前半戦まとめ】
今季はディフェンシブチームのお株を栃木から奪い、ディフェンスリーグNo1の座に君臨している琉球ゴールデンキングス。
シーホース三河や、アルバルク東京とはまた違ったアプローチのパッシングゲームはリーグのスカウティング対象となることでしょう。
熱いブーストを受ける琉球は悲願の地区優勝へ確実に前進しています。
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