18-19シーズンも前半戦が終了しました。
各チーム、前半戦をどの様に戦ったのか?
毎年恒例のスタッツ分析を行って見たいと思います。
今回は
アルバルク東京をPickUpしてご紹介します。
【チームスタッツ】
※スタッツは執筆時点のものとなります
※Opp = 相手チーム
スタッツ | リーグ順位 | 数値 |
---|---|---|
3FG% | 13位 | 31.33% |
FT% | 2位 | 76.39% |
2FG% | 8位 | 50.10% |
PitP% | 13位 | 51.24% |
OppPitP% | 6位 | 55.71% |
SCP% | 10位 | 15.98% |
OppSCP% | 16位 | 13.81% |
FBP% | 5位 | 15.37% |
OppFBP% | 18位 | 8.11% |
2pt割合 | 7位 | 64.23% |
Opp2pt割合 | 4位 | 64.03% |
3pt割合 | 13位 | 26.16% |
Opp3pt割合 | 14位 | 26.38% |
FT獲得率 | 11位 | 25.84% |
OppFT獲得率 | 13位 | 24.01% |
eFG% | 11位 | 49.15% |
OppeFG% | 9位 | 49.98% |
失点 | 17位 | 69.59 |
OR% | 9位 | 28.21% |
OppOR% | 18位 | 23.55% |
DR% | 1位 | 76.45% |
OppDR% | 16位 | 66.16% |
OFFRTG | 8位 | 107.79 |
DFFRTG | 14位 | 100.81 |
NETRtg | 5位 | 6.98 |
TORtg | 16位 | 12.77 |
TS% | 10位 | 52.96% |
OppTS% | 11位 | 52.74% |
PACE | 18位 | 68.95 |
AST% | 15位 | 65.53% |
OppAST% | 16位 | 62.00% |
HOMEeFG% | 12位 | 49.36% |
HOMETS% | 11位 | 53.31% |
AWAYeFG | 11位 | 48.88% |
AWAYTS% | 9位 | 52.52% |
TOV% | 16位 | 12.77% |
OppTOV% | 10位 | 16.07% |
POSESSION | 18位 | 69.28 |
攻撃成功回数 | 18位 | 79.42 |
Opp攻撃成功回数 | 18位 | 77.57 |
【個人スタッツ】
PIE | PER | |
---|---|---|
アレックス・カーク | 23.20% | 22.2366 |
馬場 雄大 | 15.50% | 18.8074 |
安藤 誓哉 | 10.00% | 13.4863 |
田中 大貴 | 11.40% | 15.7209 |
竹内 譲次 | 10.60% | 12.9365 |
ジャワッド・ウィリアムズ | 6.50% | 15.8843 |
ザック・バランスキー | 5.40% | 8.6476 |
ミルコ・ビエリツァ | 5.40% | 23.7969 |
小島 元基 | 4.40% | 12.5677 |
菊地 祥平 | 2.80% | 6.1049 |
齋藤 拓実 | 1.50% | 15.4624 |
正中 岳城 | 0.70% | 8.8344 |
シェーファー アヴィ 幸樹 | 0.10% | 10.8030 |
【数字で見る注目選手】
ミルコ・ビエリツァ 選手
今季途中加入のセルビア出身の同国A代表ビッグマン。
出場12試合でありながらすでにPIE5%を稼ぎ、PER(出場1分あたりのプレイ効率性)ではチームNo1。
USG27%と既にチームからエース級の信頼があり、決定率も54% と高確率。
【スタッツ分析】
■対アルバルクシフトに苦しんだ前半戦、生命線はフリースロー
今季スタートから各チームのスカウティング、アルバルクシフトを敷かれ決定率の低下(リーグ11位)という形で現れました。
まず、アルバルクの戦略はカーク選手とのP nRは勿論のこと、ズレを突くキックアウト3ptが持ち味のチームでした。
特徴的なムーブは、4番の選手(竹内,ジャワッド,ビエリツァ選手)がハンドラーのポジションにリプレイスし、キックアウト(サイドチェンジ)→アウトレットをスムーズに行うことでDFにストレスを与える点にあります。
※動画は通常のPnRとアルバルクのP nRの比較になります。
これに対し、PnRにはドロップやゾーンDFで守りペイントアタックを防ぎつつ、キックアウトやサイドチェンジに対しては2線目のウィングプレイヤーがこれを読みコンテストに入ることを徹底していました。
その結果、3pt割合と決定率がリーグ13位まで落ち込み、ペイントエリアでの得点割合もリーグ13位まで減少。
2pt割合が増えたにも関わらず、ペイントエリアでの得点割合が減少したということは、
(効率が悪いショットということが明らかになりつつある)ペリメタのミドルショットが増えたということを表しています。
決定率が悪いゲームで頼りになるのはフリースローです。獲得率自体は高くないものの、相手のFTも防いでいるため相対的に上回りオフェンス効率を維持しています。
■勝利を呼び込む堅実で無駄のないプレー
ここまで東京で勝利できている最も大きな要因は、相手に流れをを渡さないディフェンスリバウンドと少ないTOVに尽きるでしょう。
接戦で迎えた4Qで逆転を許した試合は3試合しかありません。DRが取れているという事は、ボックスアウトが出来ている = 崩されていない と言えリーグ5位のDFは流石です。
■勝敗傾向
特徴的な相関は特には見られず、敢えて言うならば3ptが30%以下のゲームの7割を落としています。
3pt%は公式サイトでも確認可能です。
【戦術分析】
■シンプルにZipper→Chase!
オフェンスの基本型は恐ろしい程に徹底されています。
トップやハイポストからウィングプレイヤーに回し、逆サイドからカーク選手のダウンスクリーンからパスを受け、そのままPnR。崩せなかった場合はサイドチェンジしてHO。
DFにストレスを与え続け、綻びを待ちます。
#アルバルク東京#セットオフェンス紹介
zipper(stagger)→replace→pistolmoveアルバルク東京の攻撃は8割型この形から入ります pic.twitter.com/8qxDc3T9jX
— しんたろう (@MaMakin007) December 15, 2018
■今季から積極的に使うSpainPnR!
上で述べたように、東京のPnRに対しては、下がってリングを守るDropという守り方で各チームに対応されています。
そんな状況に ルカHCが用意した解答こそ、SpainPnRでした。リングを守るDFは真っ直ぐトップへ抜けるシューターを防ぎきれません。
アルバルク東京#セットオフェンス紹介
flex→invert→webgeroll→spainPnRコーナーの竹内選手だけでなく、トップも完全にワイドオープンになっています。
お手本の様なspainPnRでした#アルバルク東京 pic.twitter.com/kIJgdCH2Zy— しんたろう (@MaMakin007) November 24, 2018
#アルバルク東京#セットオフェンス紹介
zipper(stagger)→SpainPnR前節辺りからよく見るムーブで、いつものzipper chaseと見誤ってしまいそうです pic.twitter.com/jzqDKQKMBc
— しんたろう (@MaMakin007) December 15, 2018
これ以外にも良いセットは多くありますので、手前味噌ですがこちらのツイッターリンクをご覧下さい
【まとめ】
シュートが入らなくても勝てるチームは強い(2回目)
ここまでスカウティングをされながら勝率6割以上をキープする姿は流石です。
近代バスケットにおいて、「打たされる」ショットであるペリメタのミドルにここ数試合活路を見出している節もあり、NBAファイナルにおいて、ミドルで大暴れしたケビンデュラントの様に無人の荒野を行く可能性があります。
代表組のハードな日程もありながら、
勝利の4要素をがっちり押さえるタフなチームに進化したアルバルク東京。
このまま行けばワイルドカード出場となりますが、代表日程を無事こなし、体調を万全に整えた東京と当たりたい3地区間2位のチームが果たしてあるでしょうか?
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