2017年5月30日、Bリーグ初のアワードセレモニーが行われ、各賞とMVPが発表され、川崎ブレイブサンダースのニックファジーカス選手が見事初代MVPに輝きました。
今回は、(NBAでは割とメジャーな)PERというスタッツを用いて隠れたMVP選手、高効率選手を見つけてみたいと思います。
今回注目するPERというスタッツは、正式名称PlayerEfficiencyRatingの略称で公式発表された個人スタッツを元に、統計データと合わせて計算しその選手の効率性を導き出すための指標です。
ESPNの元記者であるJohn Hollinger氏が提唱。後にメンフィスグリズリーズのバイスプレジデントに抜擢され、このPERを用いてグリズリーズを再建。プレーオフ常連チームに押し上げました。
さて、このPERの特徴ですがなんと言っても出場1分あたりのプレイの効率性を数値化できる点にあります。
つまり、スターターでバリバリ30分出場するエース選手と、2ndユニットで15分出場する若手の選手を同じ土俵で比べる事ができます。
もう1つは計算上の特徴で、公式発表されている効率性指標のEFF値は得点アシストリバウンドを全て1ポイント換算するのに対してPERでは、アシストは0.7点換算などスタッツによって係数が変化していきます。
計算方法は、基本的にはEFFと同様にポジティブスタッツ(得点アシストリバウンド)からネガティヴスタッツを減算し、そこに各スタッツ係数とリーグ平均値 をかけ合わせます。
詳しい計算式は以下になりますが、非常に難解なため気を強く持ってスクロールしてください
uPER = (1 / MP) *
[ 3P
+ (2/3) * AST
+ (2 – factor * (team_AST / team_FG)) * FG
+ (FT *0.5 * (1 + (1 – (team_AST / team_FG)) + (2/3) * (team_AST / team_FG)))
– VOP * TOV
– VOP * DRB% * (FGA – FG)
– VOP * 0.44 * (0.44 + (0.56 * DRB%)) * (FTA – FT)
+ VOP * (1 – DRB%) * (TRB – ORB)
+ VOP * DRB% * ORB
+ VOP * STL
+ VOP * DRB% * BLK
– PF * ((lg_FT / lg_PF) – 0.44 * (lg_FTA / lg_PF) * VOP) ]
さらに、
factor = (2 / 3) – (0.5 * (lg_AST / lg_FG)) / (2 * (lg_FG / lg_FT))
VOP = lg_PTS / (lg_FGA – lg_ORB + lg_TOV + 0.44 * lg_FTA)
DRB% = (lg_TRB – lg_ORB) / lg_TRB
となります!
そして、この式をBリーグの全選手に対して計算し、ランキング化(30試合以上出場選手のみ)したものが….
こちら!
factor VOP DRB%
0.617 1.033402364 71.51%
RANK PLAYER PER
- ニック ファジーカス 42.339
- ダバンテ・ガードナー 39.656
- レイショーン・テリー 35.480
- ジェフ ギブス 34.000
- ジョシュ・チルドレス 33.138
- ケビン・コッツァー 33.052
- ライアン ロシター 31.083
- クリント・チャップマン 30.922
- ライアン スパングラー 30.714
- マーカス・ダブ 30.428
- ドリュー ヴァイニー 30.350
- ジャスティン・バーレル 29.380
- マイケル・パーカー 28.752
- ギャビン エドワーズ 28.741
- デクスター・ピットマン 28.211
- ディアンテ ギャレット 28.148
- ジョシュ ハレルソン 27.824
- ロバート・ドジャー 27.812
- ジェロウム・ティルマン 27.224
- タイラー・ストーン 27.040
- ウェンデル・ホワイト 27.019
- 桜木 ジェイアール 26.878
- ジェイソン ウォッシュバーン 26.509
- ヒルトン・アームストロング 26.484
- エグゼビア ギブソン 26.231
- アイザック バッツ 26.204
- ディショーン・スティーブンス 26.202
- サム ウィラード 25.837
- アイラ ブラウン 25.608
- オルー・アシャオル 25.553
- ジュリアン マブンガ 24.940
- ダニエル ミラー 24.752
- ラモント・ハミルトン 23.786
- クレイグ・ブラッキンズ 23.618
- アンソニー マクヘンリー 23.079
- ジャマール・ソープ 22.858
- リチャード・ロビー 22.493
- スティーブン・バン・トリース 22.281
- ロバート・サクレ 22.209
- ジェフリー パーマー 22.046
- ジュフ 磨々道 21.969
- アールティー グイン 21.843
- チリジ・ネパウエ 20.856
- スコット・モリソン 20.788
- 竹内 譲次 20.312
- ファイ サンバ 20.217
- 比江島 慎 20.203
- 田中 大貴 20.107
- 金丸 晃輔 20.084
- 田臥 勇太 19.230
圧倒的ニックファジーカス!!
隠れてないです!企画を根本から覆すファジーカス選手のポテンシャルに驚きつつも、趣旨に則り効率性が高い選手をチョイスすると以下の様になります。
ダバンテ・ガードナー選手(新潟アルビレックスBB)
レイショーン・テリー選手(琉球ゴールデンキングス)
ケビン・コッツァー選手(京都ハンナリーズ)
気を取り直して今回の企画、隠れたMVPは…
ダバンテ・ガードナー選手(新潟アルビレックスBB)!!!
という結果になりました。
番外編として出場30試合未満ながら効率性が高いプレーヤーをご紹介します。
トロイ ギレンウォーター選手(出場26試合 PER値37.518)
レオ・ライオンズ選手(出場19試合 PER値35.535)
最後に、日本人選手のPERランキング上位20名をご紹介したいと思います
RANK PLAYER PER
- 竹内 譲次 20.312
- 比江島 慎 20.203
- 田中 大貴 20.107
- 金丸 晃輔 20.084
- 田臥 勇太 19.230
- ザック バランスキー 17.782
- 川村 卓也 17.435
- 藤井 祐眞 16.997
- 石井 講祐 16.963
- 竹内 公輔 16.917
- ベンドラメ 礼生 16.915
- 富樫 勇樹 16.740
- 喜多川 修平 16.536
- 古川 孝敏 16.447
- 篠山 竜青 16.266
- 宇都 直輝 16.129
- 根来 新之助 16.098
- 辻 直人 15.367
- 並里 成 14.816
- 太田 敦也 14.790
面白かったのは藤井選手の数値で、川崎ブレイブサンダースの中で最も効率性が高いプレイヤーである。というとても興味深い結果になりました。
このPERという数字は、オールスターやチャンピオンシップで大きく注目されてはいないながらも、しっかり仕事をこなす高効率プレーヤーを探し出す事にあります。
現在ストーブリーグ中のBリーグ、選手の移籍など動きが活発になっていることもあり
是非新しい視点で移籍する選手、加入する選手を観てみてください!
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